指導のねらい
☆シュート技術を整理する

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1.カップリングスキップ  前回に引き続きコーディネーショントレーニングを行いました。

 今回はCoupling( いろいろな動作を同時に行う能力)のトレーニングです。この力が優れているといろいろな面で有効です。例えば、ドリブルしていてもうででディフェンスをガードしたり、レイアップのステップ中にボールを自在に動かしたり、上半身でフェイントしながらステップは抜きにかかるという動きに繋がります。

 できなかったものは次回までに出来るようにしておいてくださいね!


2.シュート技術の基本的な考え方

 今回はみんなにシュートの基本的な考え方を伝えていきました。

 シュートの基本となるのは

@リングに向かってまっすぐ飛ばす
Aリングのあるその距離へ飛ばす

この2つの考え方です。この2つを実行できればシュートが落ちることはありません。

 シュートを『入れよう』とすると色々な工夫があってキリがありません。そうではなくて『落とさない』シュートを打てるように考えることが重要です。自分のシュートフォームから落ちる原因を省いていけるようにしましょう。



3.ボールの持ち方  ボールを片手で持っても落ちないようにして、手首を返して持ちます。この時に腕が傾かないようにボールを真下から支えます。手首と肘が90°になっていて『2L』の状態になっているのがポイントです。
 左手はボールが飛ぶ時に邪魔にならないように添えます。前から見ると右手と合わせてキレイな三角形が出来るようにします。
 つま先、ヒザ、肩、ヒジ、手首、ボールが一つのラインに乗るようにします。

 ボールを真下から支えることがボールをまっすぐ飛ばすためのポイントです!


4.まっすぐ飛ばす

 シュートを打つ側のつま先がリングの中心を差すようにします。つま先とリングの中心をむすんだラインがシューティングラインです。
 ボールを真下から支え、ボールの中心を指している指がゴールの中心を指すようにまっすぐボールを押し出します。
 肩が回転してしまうと、ボールは曲がってしまいます。ストレートダウン、ストレートアップを心がけましょう。

 ボールをまっすぐ飛ばすための練習として、
シューティングラインパスを紹介しました。非常に地味な練習ですが、ボールをまっすぐ飛ばすという基本的な練習です。ゴールがないところでも出来る練習なので、繰り返し何度も何度も練習していって下さい。


5.その距離に飛ばす

 シュートを真っ直ぐ飛ばせたら、距離感をつかんでいきます。フォームを変えて距離を変えるのではなく、指先の力を変えて距離感をつかんでいくようにしましょう。


同じフォームで打つ
 距離が変わるたびにシュートフォームが変わると距離感はつかみにくくなります。同じフォーム=同じ技術で距離感をつかみましょう。
 フォロースルー(シュートを打った後の姿勢)はボールが地面に落ちてくるまで止めましょう。

 肘は伸ばしきりましょう。肘の伸ばしがいつも違うといつも距離のコントロールが変わってきてしまいます。

抜くとひっかける
 同じフォームで飛距離を変えるためには指先のボールの引っかかり具合を調整していくことが必要です。
「ひっかける」シュートはボールに力を伝えるシュートです。指先からボールを放す時にしっかりとボールを押してあげます。
「抜く」シュートは、同じフォームで指がボールに押し負けるような感覚です。ボールがふわふわぁ〜とリングに飛んでいくシュートです。

ボールを高く打つ
 アーチをかけてボールを高く飛ばすと、リングへ向かう角度が大きくなるのでシュートは入りやすくなります。また力の入れ具合がずれても前後へのブレは少なくなります。逆にアーチが低いと力のズレが、前後のズレにつながります。


6.フォームの修正  一流のシューターでも全てシュートが入るわけではありません。NBAのNo.1シューター、レイ・アレンでも試合中のシュート成功率は44%、スリーポイントに限定すれば約40%です。
 しかし、一流の選手達は試合中に自分のシュートを修正していきます。そして、試合の大事なところでキチンとシュートを決めるのです。

 自分でシュートを修正するには外れ方を見ます。
左右にずれればフォームに原因があります。前後にずれれば距離感に問題があります。シュートの外れ方をみて原因を自分で分析することが大切です。そしてそれを修正して打てるようにしましょう!


7.いつでも打てる
  ・早打ちバトル
  ・フラッシュシューティング
   (1〜3のタイミング)
 今回の練習では実践編のうち『いつでも打てる』を練習しました。

 ディフェンスのレベルが上がれば上がるほどシュートチャンスは少なくなります。その少ないチャンスを活かすためにはいつでもシュートが打てることがポイ ントになります。いくらシューティングでシュートが入っても試合で実践できなくでは意味がありません。
 パスキャッチ、ドリブルからのストップの際にいつでもシュートを打てる姿勢になることが大切です。シューティングラインを意識して、シュートを打てる姿勢で止まればどんなタイミングにも対応できるはずです。

 フラッシュシューティングでは普段自分が使っている以外のタイミングではなかなか上手くシュートを打てない人が目立ちました。いつも同じタイミングで 打っているとディフェンスは守るのは簡単です。どんなタイミングでも打てるように練習していって下さい!


8.6分間シューティング  2人一組で6分間同じ人がひたすらシュートを打ち続けました。6分間打ち続けているととても疲れます。手が上がらなくなったりフォームが崩れたりしてしまいます。しかし、疲れた時に正確なシュートを打ってこそ実戦でもよいシュートを打つことができるでしょう。

 まずは1分に10本、合計60本を決められるようにしましょう!日本代表クラスの選手ならば100本を超えますからそこまで到達できるように練習しましょう!


 指導の感想と次回へ向けてのコメント
 今回はシュートの基本的な考え方を伝えながら、じっくりとフォームを確認していきました。なかなか1回の練習だけで出来るようにはなりません。『よい習慣』を身につけるためにポイントを理解して練習に取り組んで下さい。
 今回の個人へのコメントは6分間シューティングの記録つきです。記録を伸ばせるように練習して下さいね!


H.S
(68本)…今回の最高記録でした!最後までフォームが崩れることなく打ち続けていました。今度は実戦の中でよいシュートが打てるようにボールを持ったときの姿勢や身体の向きを意識してみましょう!

S.T(67本)…腕の振りが前後になっているのでボールの軌道が低くなってしまいます。ボールを上に押し出して回転をかけるように意識してみるとしいでしょう。実戦での練習になると身体のバランスが悪くなるので真上に飛ぶことを心がけましょう。

K(49本)…ボールを構える位置を意識しましょう。顔の前で構えてしまうのでボールがまっすぐ飛びにくくなってしまいます。シューティングライン上にボールを入れることを習慣づけましょう。

Y(48本)…かなりシュートにむらがあります。フォームを意識しながら打っているときは綺麗なフォームで高確率で決めていましたが、実際に動きながらになり熱中するとボールを放り投げてしまいます。まずは意識しなくてもいいシュートが打てるように習慣づけていきましょう!

G(45本)…後半ガクッとシュート確率が下がりました。Gはシュートを手だけで打っているので、疲れてくると一気にフォームが崩れてしまいます。ボールをもっと身体の近くで放すように意識して、身体全体を使ってシュートを打てるようにしましょう。

W(37本)…シュートを打つときにほとんど手首が曲らず、伸びきったままになっています。手首の力 が使えないと細かい力加減が出来ないので距離感が掴みにくくなります。しっかりと『2L』を作ってフォロースルーまで意識できるといいでしょう。毎日手首 をストレッチするのも大切です!

H.A(32本)…シュートを打つときには手首にシワを作りましょう。そして、スナップを使ってボールに回転をかけるようにしてシュートを打つといいでしょう。近い距離のシュートをコントロールするために、手首と指の力で距離を調整できるようにしましょう!

T(32本)…ボールを持ったときに両手でボールを挟むような形になっているので、そのままシュート を打つとボールがまっすぐ飛んでいきません。ボールを右手で真下から支えるように持ちましょう。常にその状態で持って、いつでもシュートが打てる状態にし ておくことが大切です。