指導のねらい
1)基本姿勢の徹底
2)シュートの基本の徹底

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1.基本姿勢の確認  今回の練習のテーマは「基本姿勢」の徹底と、シュートの基本の確認です。より高いレベルのチームになるために、基本の土台をしっかりと固めていきましょう。

 それぞれ、シュートに関して癖のある選手が多いので、自分で自分をチェックできること、そのためにはまずチームメイトの事もチェックしてあげられること です。お互いがお互いのために、ボールの持ち方やバランスなどを厳しくチェックしていくことが重要です。

 実戦のレベルアップをしていく上で、非常に重要なのが「キャッチ」と「姿勢」です。ここでつまづくと、なかなか上達ができない苦しさを味わうことになります。色々と工夫するのですが、結局のところキャッチが悪いがために始まりが安定しないため、同じような工夫でも結果が変わってしまうからです。

 キャッチと姿勢を大事にすることはシュートの実戦能力アップに必要不可欠です。常に意識して練習に取り組みましょう!


 姿勢は、肩・膝・つま先が床から垂直に一直線くらいがちょうど良いです。バスケットボールは基本的にゴール方向へ進むことが必要なスポーツですから、重 心がやや前側にあり、広い視野が保てて、素早く走れる、素早く跳べる姿勢が理想です。
 こういった姿勢を
基本姿勢と呼んでおり、この姿勢ですぐにシュート、すぐにパス、すぐにドリブルができるボールのもち方をすると「トリプルスレット(3つの脅威)」という姿勢になります。

 シュートが打てないような場面では、
ジャブステップポジションに構えたり、縦足でボールを守る姿勢になったりもしますが、シュートが打てる場面ではこの「トリプルスレットポジション」に構えることを意識して練習しましょう!

ボールのもち方の確認方法
<ワンハンド>

・ボールを下から持って、左右に振ってもボールが安定しているように持ちます。

・ボールの真下に腕が来るように、肘を90度に曲げます。このとき、腕の位置は利き足の真上にくるようにしましょう。

・どの指が最後にボールを離すかはそれぞれの関節の可動域によって決まります。人差し指・中指・もしくは2つの指の真ん中、どれかのパターンになるはずですから、自分のどの指がボールの中心を押し出すか、確認しましょう。

・サポートハンドは
「ガイドライン」になるように、小指をリングの端に合わせましょう。

・手首と肘が90度になるようにします。これを2Lの構えといいます。この2Lを崩さないように、肘を体側につけるようおろしていきます。これがシュート に重点を置いた、トリプルスレットです。銃を体側に構え、引き金を引いておくような形から、
ガンマンポジションとも呼んでいます。

<ツーハンド>
・ツーハンドは、両手の人差し指が最後に同時にボールを離します。なので、両手の人差し指の延長上がボールの中心になるようにボールを持ちます。左右から安定してボールを持てるように、両手の親指と人差し指で三角形を作りましょう。

・手首と肘がつくる三角形も、きれいな三角形になるように構えます。

・この
二つのトライアングルがまっすぐゴールに向き、基本姿勢に構えるとトリプルスレットです。

2.ドリブルドリル
 ・カップリングドリブル
 ・高低ドリブル
 ・2ボール前後
 ・2ボール左右
 ・ミスリズムドリブル
 ・片手レッグスルー
 しばらくインフルエンザなどで練習が少なかったと聞いていたので、ハンドリング感覚を取り戻す意味も込めて、ドリブルドリルを行いました。

 前回紹介した高低のドリブルドリルも行いましたが、今回は2ボールバージョンにもチャレンジしてもらいました。

 このドリルは色々なドリブルテクニックを磨く事が出来るので、ぜひ出来るようになるまでチャレンジし続けて下さい。

 その他、強豪の高校もやっているような2ボールのドリブルドリルや片手レッグスルーなどの技にもチャレンジしてもらいました。

 皆さんドリブルは上手なので、さらに高いレベルになれるよう、難しい技でもボールを見ずに行えること、ドリブルの強さをもっと高めることを意識して練習していきましょう。

3.シュートの基本ドリル 昨年と同じように、まずはシュートの基本を確認しました。

<シュートの技術のポイント>
@ボールはリングに向かってまっすぐ飛んでいる
Aボールはリングのあるその距離にちょうど飛んでいる


この2つができればシュートは絶対に落ちません。

しかし、人間はロボットではないので常に同じところに同じようには打てません。
シュートの確率が良い選手と悪い選手の差は、シュートがぶれやすいかどうかです。シュートフォームにボールがぶれる原因が多いとなかなかシュートの確率は上がりません。

リングの直径が45cmです。
みなさんが使っているボール(6号ボール)の直径は約24cmですから、左右前後に10cm以上ぶれないシュートを身につければ、シュートの確率はとても高くなります。


<ワンハンドの場合>
・ボールの中心を指している指がゴールの中心を指すようにまっすぐスナップします。

・腕が曲がっているとボールが曲がりやすくなります。
「アンダー・ザ・ボール」を意識しましょう。

・手首と肘に見えないチョークをつけて、見えない黒板に1本の線を引くイメージで肘を動かします。

・肩のラインが曲がっていたり、回転してしまうと、ボールは曲がりやすくなります。

・利き足はリングを指します。この利き足とゴールを結んだ線を
シューティングラインと言います。ゴールライン上をボールが飛んでいくイメージです。

<ツーハンドの場合>
・回内の動きを使って人差し指をリングの上に向けて伸ばします。

・鼻とへそとリングを結んだラインが
シューティングラインです。そのラインにボールの中心をまっすぐ押しだします。

・手の甲と甲がシューティングラインを挟んで向き合うようにフォロースルーしましょう。


4.ステーションドリル
 ・リバウンド
 ・フックシュート
 ・シュートフォームチェック
 3つのグループに分けて、午後のジャングルドリルに向けてリバウンドとフックシュートの練習を行いながら、それぞれのシュートフォームチェックを行いました。

 リバウンドについては、ジャンプの最高点とボールの落下点を合わせることと、片手でもすばやく引きつけること、相手との競り合いでは自分の方へチップアウトすることなどを練習しました。

 フックシュートは、非利き腕の肩と腕をまっすぐゴールに向けシューティングラインを作り、シューティングライン上に利き腕を高くあげながら指先もまっす ぐリングを指すように打ちます。まっすぐその距離に打つというのは普通のシュートと変わりません。
 たくさん打ち込めば、必ず上手になるテクニックです。ぜひたくさん練習して下さい。

 シュートフォームチェックでは、それぞれ全員のシュートフォームを見ることができました。限られた時間の中なので、特に気になったところを注意したの で、コーチからのフィードバックがあった選手はそこをしっかりと修正するようにしてください。

5.3メン
 ・ボール1つ〜3つ
 午後のウォーミングアップを兼ねて、賢さをテストする3メンを行いました。
練習は、コーチから言われた事だけをやっていればうまくなるのではありません。コーチから言われたこと以上を工夫していかなければなりません。

 この3メンでは、いくつかのルールを言うので、ルールで言われていないことはどんどんやってかまいません。目的に向かって、最良の方法を考えながら練習してみて下さい。

●レベル1
3人組でボール一つ
トラベリング禁止
地面にボールを落としてはいけない
シュートを決めなければいけない

●レベル2
レベル1と同じルールで、6秒以内にシュートを決めなければならない

●レベル3
レベル1と同じルールで、ボールは2つ

●レベル4
レベル3と同じルールで、8秒以内

●レベル5
レベル1と同じルールで、ボール3つ、バウンドパスはOK

 皆さんついつい、いつもやり慣れている3メンのやり方を使っていましたね。ちょっと考えれば、もっと簡単なやり方もありますし、もっと技術力が高まるようなやり方も工夫できます。大事なことは、自ら考え、工夫することです。
 今年のチームで先生も大事にされている部分なので、僕の練習日にも継続して皆さんの考える力を伸ばしていきたいと思います。

6.フラッシュシューティング  最初は、たくさん決めることばかりに意識がいってしまい、本数は多く打っていますが確率があまり良くありませんでした。同じ40本決めるのでも、本数を多くして悪い確率で達成する40本よりも、確率良く決める40本の方が質は高いのです。
 この練習での目的は、高確率にシュートを決めることです。40本クリアすることが目的ではありません。40本クリアは単なる目標にすぎないのです。

 2回目には、急ぎすぎず、しっかりと確率良く打ってもらいました。そうすると、結果的に最初よりも少ない本数になったにもかかわらず、入った本数は最初よりも多くなりました。

 ビジョナリーカンパニーという本で同じようなポイントが紹介されています。利益を最大の目標にしている企業よりも、利益以上に大事な理念やより質の高いものを目指している企業の方が、結果的に利益をあげているのだそうです。

7.スキーマシューティング
 ・距離感をつかむ
 次なるシュートのポイントとして、距離感をつかむことを意識して練習を続けてもらいました。

フォロースルー(打った後の形)はボールが地面に落ちてくるまで止めましょう。再現性がないシュートは距離感の調整が難しくなります。

・肘は伸ばしきりましょう。肘の伸ばしがいつも違うと、いつも距離のコントロールが変わってきてしまいます。

・肩が前後に移動しないようにしましょう。まっすぐしゃがんでまっすぐとぶ、
「ストレートダウン・ストレートアップ」が重要です。

・自分とリングのちょうど中間でボールが最高点になるようにイメージしましょう。

「抜く」「引っかける」の練習を行いました。

 シュートの距離は、角度が同じであれば「スピード」で決まります。同じシュートフォームでも、最後にどれだけスピードを伝えるかで距離が変えられるのです。

 距離を変えるのにフォームが変わってしまう選手は、良いシューターになれません。同じフォームで、指先のタッチで微妙な距離感を調整できるようになりましょう!

8.1分シューティング  1分間同じ場所でシュートを打つシューティングです。
同じ場所で打ち続けるシューティングのテーマは
★修正力
★再現性

です。シュートが入ったら、そのシュートを繰り返すこと。シュートが外れたら、続けて外さないこと。これを意識して練習していけば、シュート力が高まります。

 今回は12本以上決めることを課題にしましたが、この課題をクリアできる人がまだまだ少ない状況です。チーム全体で、まずはこの基本のシューティングのレベルを高めていきましょう!

9.ハンズレディドリル  ハーフラインまで走って行って折り返してきた時にパスをうけ、OKが出るまで止まります。この間、パートナーはシューターのシューティングライン、足の向き、ボールの位置、指先の向き、基本姿勢を厳しくチェックします。

 OKが出たらシュートを打ち、ボールが地面に落ちるまでフォロースルーを残します。ボールが曲がったら自分でフォロースルーをチェックし、曲がる原因を分析しましょう。

 
この練習が、今日のテーマにおいて最も重要な練習です。この練習ですでに不安定な要因があるようでは、高い確率のシューターになることはできません。

 最後に3ポイントでも打ってもらいましたが、距離が遠ざかれば遠ざかるほど、ちょっとの曲がる原因がごーるから 外れる原因になってしまいます。

10.ジャングルドリル  最後に、ジャングルドリルを行いました。前回の続きからやってもらいましたが、今回はフックシュートでの得点は2点にしました。

 午前中に練習したフックシュートは、ゴール近くで相手が大きい時にはかなり効果的な打ち方です。是非練習を続けて下さい。

 指導の感想と次回へ向けてのコメント
 前回は食事についての話が中心でしたが、その後しっかりと実行することは出来ていますか?農場の法則というのがあって、土を耕し、種をまき、日々の手入れをして初めて収穫があるという法則です。これはバスケットボールにも当てはまります。

 土を耕すことは練習の準備をすることです。食事・睡眠・ストレッチなどがそれに当てはまります。種をまくというのは、今回の指導や日々の部活などで技術 を知ること、戦術を理解することなどが当てはまります。日々の水やりや草むしりなどの手入れは、あくなき反復練習のことです。これらの手順はひとつでも欠 いてしまうと収穫を迎えることはできません。

 食事をないがしろにしては、いくら技術を知り、反復練習をしても、良い実りはありません。バスケットボールでいう収穫とは、試合での活躍、試合で良いプレーができることです。

 
すべての練習が試合に向けて最良の準備になるように、日々の訓練、新しい技術や考え方を知ること、食事や睡眠、ストレッチなどすべてがひつよ不可欠で重要な要素なのです。是非、食事と睡眠についての話はまた理解を深めておいてください。そして、今回種をまいたシュートの基本技術、フックシュートなど、これから日々の訓練、反復練習をがんばってください。
 
 今回は最後にチャレンジのドリブルテクニックを紹介することができなかったので、レッグスルー10と2ボールの高低ドリブルをしっかりとクリアできるように練習してきてくださいね。

 それでは、また次回も楽しみにしています!