指導のねらい
1)1on1のレベルアップ
 ・ステップで接触を嫌がらない
 ・ディフェンスの反応できない瞬間を抜く!

 Practice Menu Key Point !
1.ウォーミングアップ
 ・リアクションドリル
 リアクション能力を高めるためのドリルでウォーミングアップを行いました。

 手をはたくのをかわすリアクションや、じゃんけんで足踏みリアクション、ボールキャッチのリアクションなどなど、緊張感をほぐしながら、楽しんで練習してもらいました。


2.コーディネーショントレーニング
 ・カップリングドリブル
 ・ワンステップと左右のレイアップ
 ・押し合いバランス
 リアクション能力以外の様々なコーディネーションドリルを行いました。1on1のレベルアップを目指す上で、コーディネーション能力を高めることはとても重要です。同じ練習をしても、持っている能力でその精度やレベルアップのスピードに差がついてしまうのです。

■カップリングドリブル
左右の手で違ったドリブルをする練習です。
1.その場と前後
2.その場とサークル
3.ミスリズムドリブル(片方1回片方2回のリズム)
4.その場と壁ドリブル

 ドリブル力アップにもつながりますし、1on1で左右の手を上手に使いこなすためにもできなかった練習は繰り返し練習しておいてください!

■ワンステップと左右のレイアップ
 ドリブルからワンステップでレイアップに行く練習を行いました。右ドリブルからと左ドリブルからの両方で、以下の4種類にチャレンジしてもらいました。
1.左ワンステップで右手レイアップ
2.右ワンステップで右手レイアップ
3.左ワンステップで左手レイアップ
4.右ワンステップで左手レイアップ
 ドリブルからどんなタイミングでもレイアップにいけるようになります。全て出来るようにしておいてくださいね!

■押し合い
 女子の選手が1on1をする上で一番ネックになるのが、
「接触への恐怖心」です。ぶつかり合いに慣れていないと、ディフェンスからどんどん離れていってしまい、ファールももらえない、シュートも難しいというプレーになってしまいます。まずはぶつかり合いの恐怖心をなくすために、色々な押し合いの練習をしました。

3.パワーレイアップ ■パワーレイアップ
 ディフェンスのプレッシャーに負けないドライブインの練習です。バランスとボールの位置に気をつけましょう。ボールを振ってしまと、シュート前にボールがディフェンスの前に出てしまうことがあります。ボールを遠くにキープしたままでもレイアップにいけるように練習しましょう!
 ディフェンスがドライブのコースに入ってくるまでは、力強くゴールに向かうべきです。自ら遠くを通るような、遠回りのドライブインは簡単に守られてしまいます!

■ストップ&ターン
 レイアップが止められてストップしてしまったら、ステップを踏んでシュートにいきましょう。
 
縦足を意識してもらいました。ゴールとディフェンスを結ぶラインを意識して、その遠くへフリーフットを踏み、足のラインがディフェンスとゴールのラインに一直線になることが重要です。そのままディフェンスが反応してこなかったらフェイドアウェイシュートを打ってもらいました。
 ターンしたときにディフェンスが反応してきたら、もう一度ステップインをしてゴールに向かいます。この時も、
ディフェンスを見てフロントターンにするか、バックターンにするか、ストレートにダッグインするか、3つを選んでもらいました。この「ディフェンスを見て、判断する」ということがとても大事です。

■ドライブ&ロール
 ドリブル中にコースに入られたら、ロールして一気に抜いてしまいましょう。このとき、初めからロールするつもりのドライブを してはいけません。あくまでも、
まずは力強くレイアップを狙っていくことで す。レイアップに向かうコースがディフェンスとの接触をよけるようなコースだと、その逆のロールターンもゴールへ向かえないのです。結局チャンスが作れな いドライブインになってしまいます。まずはゴールに向かって多少ぶつかり合いながらも突き進み、それでもディフェンスが止めに来たらロールです。

 
ロールジャンプアール・ザ・パールの2種類のロールを紹介しました。ロールジャンプの方が実用的ですが、トラベリングになりやすいという欠点もあるので、試合でつかえるようになるためには繰り返し反復練習をしましょう!

4.エルボー1on1   パワーレイアップのドリルを実戦的に練習しました。30秒間、連続で一人がオフェンスです。エルボーにボールを4つ置いておいて、ドライブインをしたらす ぐにエルボーまで戻ってきてボールを拾い、すぐにドライブインをします。ディフェンスは終わったらリバウンドを取ってエルボーへボールを置きにいきます。

 4〜5人組で練習すると良いと思います。色々なディフェンス相手に練習するというのがポイントです。背の大きい人、小さい人、当たりが強い人、弱い人、色々なパターンを経験することで1on1がうまくなっていきます。

5.ジャブステップドライブ  1on1は、抜く場面、ステップ場面、シュート場面の3つに分解できます。パワーレイアップドリルでステップとシュート場面の練習をしたので、今度は抜く場面の練習です。ボールをもった状態から相手を抜くためのステップを練習しました。

 ジャブステップは、ディフェンスとの
距離感をさぐったり、相手の反応をさぐるのに使う小さいステップです。そのステップから加速するタイミングを紹介しました。

 ディフェンスは何かに反応し終わった瞬間に動かれると反応が遅れます。そして、何かに反応し始める瞬間に逆をつかれると対応が難しくなります。

 その瞬間を感じることができるようになればもっと1on1がうまくなりますので、今回練習したジャブステップをぜひたくさん使ってみてくださいね。

6.1on1コンペ〜決勝トーナメント  最後に、今日練習した1on1を使って実戦1on1を行いました。
まず、1on1の予選を行いました。色々な選手と1on1をし、同学年からシュートを決めたら2点、上級生から決めたら3点、下級生から決めたら1点で得点を貯めてもらいました。

 予選が終わったら、そのポイント順にランキングをつけて、決勝進出者の決定戦です。
<ルール>
 1.1つか2つ上のひとにチャレンジできる
 2.下からのチャレンジは断れない
 3.チャレンジャーが先攻
 4.ドリブルは3ポイントラインの中に入ったら3回まで
 5.リバウンドも1回まではOK
 6.1本差がついたら決着
 7.チャレンジャーが勝ったら順位入れ替え
 8.同じ人と続けて戦ってはいけない

この練習で上位4位が決勝進出です。

 決勝トーナメントはお互い3回のオフェンスで、より多く得点した方が勝者です。

 一回目の攻撃は対峙した状態からの1on1です。今日練習したジャブステップがうまく使えればグッドです!

 二回目はドリブルからの1on1です。このテクニックについては午後に紹介しました。

 三回目はパスキャッチからの1on1です。ボールにミートしながら勝負してもらいました。

同点の場合は一本差がつくまで自分の得意な抜き方で戦います。

優勝は
SAKIちゃんでした!おめでとう!!

このように、1on1は
1.対峙した状態から
2.ドリブルから
3.パスキャッチから

という3つの状況で抜く場面を分類できます。それぞれ異なるスキルが必要になるので、今回紹介したテクニックをもとに、さらに技を磨いていってくださいね!

 指導の感想と次回へ向けてのコメント
 今回は午前中に1on1、午後に2on2という内容でクリニックを行いました。
1on1はとても奥が深く、様々な能力が必要なので、どこかの技術が不足していると、そこでミスが起きたり、シュートが決められなかったりしてしまいます。

●抜く場面
●ステップ場面
●シュート場面
の3つの場面において、色々なディフェンスの状況に対応できるような技術を身につけておくことが重要です。今回は、特に中学生の女子が失敗しやすいステッ プ中場面の練習、スピードで抜き去れない相手を抜くための抜く場面のテクニックを中心に練習しました。また皆さんの要望があれば、色々なテクニックをご紹 介したいと思います。

 最後のコンペでは、とても見ごたえある1on1を繰り広げてもらいました。それぞれ非常に高い能力を持っていると思います。女子中学生は、こういう1on1をあまり積極的に行わないのが問題です。
1on1は経験で感覚が磨かれていきます。普段から、色々な選手に1on1を申し込むような選手の方が上達が早いのです!ぜひ、またチャンスを作って1on1大会をやってみてくださいね。

 午後の部では紹介しきれなかったドリブルからの抜き技と、ドライブに対する合わせなどをご紹介しました。午後の部へ続く。