指導のねらい
1)ファンダメンタルの確認
2)コーディネーション能力アップ

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1.目的地と準備の話  まずはじめに、旅行に行く時に何を持って行くのかという質問をしました。皆さんに質問したところ、携帯とか、財布といった実用的な意見がたくさんでましたが、最後に「行き先は南極大陸です」と伝えると、それならもっと違うものを用意したのにという意見が出てきました。

 ここで伝えたかったことは、目的地も分からず荷物を準備しても、役に立たないということです。バスケットボールの練習でいえば、目的地は試合で練習は準備です。
試合でどのように使うかということを考えていない練習は、目的地をわからず荷物の準備をすることと同じです。

 これから色々な基本練習を紹介していきますが、これがただ練習のための練習にならず、試合のための練習になるように、常に「これは試合でどのように使うための練習なのか」を考えながら練習をしていくようにしてください。

2.リアクショントレーニング  リアクション能力のトレーニングを行いました。試合中には、パスに対する反応、オフェンスに対するディフェンスの反応、リバウンドに対する反応などなど、リアクション能力が必要とされる場面がたくさんあります。

 ・手を上下に重ね合って、下の人が上の人の手をたたく練習
 ・じゃんけんをして勝った人が負けた人の持っているボールをはたき落とす練習

まずは、手がすばやく反応できるようなトレーニングを紹介したので、遊びの中で繰り返しチャレンジしてみて下さい。

3.バランス能力トレーニング  次にバランス能力を高めるトレーニングを行いました。片足を上げた状態で目をつむり、上げた足で大きく数字を20まで書く練習や、回転ジャンプでバランスよくストップする練習を行いました。

 バランスは、すべての技術で重要な能力です
。安定した土台に自由に動く手足がついています。土台の姿勢が安定していなければ、自由に手足を動かすことはできないのです。

4.オリエンテーショントレーニング   定位能力と呼ばれる能力のトレーニングです。ボールの位置の把握、自分の位置の把握、相手の位置の把握に関わる能力です。速攻に走る選手に対して、ちょう どタイミングよく、走るスピードを落とすことなくパスが出せるような能力はこのオリエンテーション能力が関わっています。

 2人組で、1人が自分の真上にパスを上げます。そのボールが落ちてくるまでにパートナーからパスをもらい、パスを返します。パスを返した後に自分が投げ上げたボールをキャッチします。

 出来た人には、このパスを返す前に色々なハンドリングを行ってもらいました。

レベル1.ボディサークル1周
レベル2.フィギュア8 8の字1周
レベル3.ボディサークル→フィギュア8

 これで、ハンドリング力もリアクション能力も高めることができます。ぜひチャレンジしてみて下さい!

5.カップリングトレーニング   カップリングとは、右手と左手で別々の技術を発揮したり、上半身と下半身で別々なリズムで運動するような能力です。この能力が低いと、ディフェンスにとっ てリズムがつかみやすいドリブルをすることになります。技術の上達も、このカップリング能力が高い選手とそうでない選手とで大きな差が出ます。

 今回は、スキップしながら手で拍手をするカップリングドリルを行いました。手で2拍子の拍手をしながら普通のスキップをしたり、手で3拍子の拍手をしながら2ステップ毎に足を入れ替えるスキップをしたりという練習を紹介しました。

 うまく出来なかった子は出来るようになるまで練習しておきましょう!

6.コーディネーションレイアップ  カップリング能力やバランス能力、定位能力などを高めることができるトレーニングとして、コーディネーションレイアップを練習しました。

Version1
1.ボールを回して
2.自分が回って
3.ボールを回して自分も回って
4.ビハインドパスから
5.ワンステップボール回し
6.ボールを回して股の下を通して
7.ボールを回して自分も回って股の下を通して


Version2
※すべて2ボール、シュートしない方のボールは、身体につけてはいけない。
1.片手だけレイアップ
2.ランニングステップ回転
3.左右持ちかえ
4.ミスリズムドリブル
5.ビハインド投げあげ
6.投げあげ回転キャッチ
7.ビハインド投げあげ回転キャッチ

色々な能力が高まるトレーニングになるので、是非引き続きチャレンジしてみて下さい!

7.基本姿勢の確認  バスケットボールの基本姿勢を確認しました。すぐに跳べる、すぐに走れる、バランスがとりやすい、そんな姿勢が理想的な姿勢です。

 具体的には、つま先の真上に膝、その真上に肩がくるような姿勢です。膝は曲がりすぎると1試合通して同じ姿勢をキープすることが難しくなりますし、膝が 伸びていると、ジャンプする前に予備動作が入ってしまうので動作が遅くなってしまいます。

 肩も、あまりに前に出ているとフェイスアップが難しくなり、肩が腰の真上くらいにあると、重心が後方に乗りやすいので、前に進むのにデメリットがでます。

 女子には特に、
膝が内側に入らないように注意してもらいました。男子よりも骨盤が大きくなりやすいので、膝が内側に入りやすくなっています。この膝の動きが原因で、前十字靱帯を損傷するような怪我が増えてしまうのです。膝は足の付け根とつま先を結ぶ直線状にあるように気をつけましょう

 ボールは、すぐにシュートも打てるし、ドリブルもできるし、パスもできるような、トリプルスレットに構えてもらいました。

 ドリブルからトリプルスレットに構える練習を行いましたが、これはとても大事な練習です。

 バスケットボールにおいて非常に重要なファンダメンタルは、
「止まる」技術です。止まる技術がしっかりしていなければ、ターンオーバーが増えるし、正確なシュートを打つ事も出来ません。

 ストップの技術、止まった時の姿勢を大事にして、練習を続けて下さい。

8.トラック&トレイル  ドリブルの突き出しのファンダメンタルを練習しました。特に、右側に右足から抜いていくような「オンサイド」のドライブインでトラベリングがよく吹かれるようになっています。その対策も兼ねて、基本の技術をご紹介しました。

軸足をしっかり曲げて重心を落とすこと(トラベリング防止になります!)

・そのつま先は進みたい方向へしっかりと向いていること

・右に抜く場合は左のひじが右ひざの上にくるようにし、肩から相手の腰を抜きに行くこと

・顔を上げること

・前足が地面に着くと同時にドリブルも突き出すこと

、がポイントでした。

 細かなポイントですが、ドライブが鋭くなりますし、トラベリングも減らすことができます。しっかり意識して練習に取り組んでくださいね!

 指導の感想と次回へ向けてのコメント
 今回は新チームの指導ということで、これからの皆さんの練習で是非大事にしてもらいたい「ファンダメンタル」をご紹介しました。
 いろいろなテクニックを練習していっても、
基本がおろそかでは技術の発展はありません基本の土台が広くて頑丈だからこそ、発展を高く大きく積み上げていけるのです。

 基本の練習は地味になりやすいですし、真新しい発見がすくない練習になります。そのため、目的意識が弱いチームは結果的に基本をないがしろにしてしまいがちです。

 最初に練習のための練習をしないことを紹介しました。目的地がはっきりしていないのに準備をしても、見当違いな荷物を持ってしまう可能性があります。
目的地をはっきりさせ、そのためにはどのくらいの質の技術が必要なのか、そのためにはどれだけ「基本」が大事なのか、しっかりと理解して練習に取り組んでいく必要があると思います。

 皆さん、もくもくとチャレンジしていたのでこれからの成長が楽しみです!次回、また皆さんと一緒に練習できる日を楽しみにしています!